山の木を「薪」にするのはとても大変
そこらに何気なく立っている木でも、根元の直径が30cmもあれば1mの長さの物でも一人で持上げるのは大変です。それなのに、山の持ち主の高齢化が進み、後継者も不在で、山に人の手が入らなくなり、だんだんと山は荒れてきています。また、木を切り倒すにも危険が伴います。倒れた木の下敷きになってお亡くなりになられた方も少なく無いそうようです。
そして、もうひとつ大きな問題は切った木の運び出し。道路の近くならクルマにそのまま積み込めますが、道路から離れている場所だと人力だけでは手がつけられません。先ほども言いましたように、薪に向く樹種の木は重いのです。人の力だけではとても薪の原木の運搬は無理な事、自ずとクレーン車やブルドーザーなどの近代兵器(?)の力を借りることになってしまいます。
伐採→運び出し→玉切り(長さを揃えて木を切る)→薪割り→積上げ→乾燥の6工程のうち、乾燥以外は全て人手を頼りにしなければなりません。いくら文明が進歩して機械が普及したからといって、オートメーションの工場のようにロボットで薪が出来上がるほど林業はメジャーな産業ではありません。結局は、多くの人手→高額な人件費ということになってしまいます。
ところで、薪を作るためには最低でも必要なものがあります。まずはチェーンソーに斧や薪割機。これだけあれば玉切りにした原木が手に入れば薪は出来るわけですが、それほど都合よくいつも玉切りした薪が手に入るとは限りません。
さて、立木を伐採して薪を作るとなるとこれは大変です。チェーンソーもある程度の長さ・馬力のものが必要となりますし、立木は思う方向に倒れてくれないのでワイヤーや滑車に、出来ればクレーン車などの重機が欲しいところです。運び出すためには2~4トン車などのトラックも必要になります。
しかし、これらを揃えるのには大きな金額が必要となり、当然その費用は薪の原価に跳ね返ってきてしまいます。だから、店頭で売っている薪はすごく高い!。しかし、重機・トラックなどの大物やチェーンソー・薪割機などを個人で用意するとなればこれはこれで大変な金額です。
私たちは、地域の山仕事のベテランがチームを組み、お互いが所有している機械や道具を持ち寄って、地面が凍りついて畑仕事が出来ない冬の間に薪作りをしています。薪販売の専門業者ではありませんので店舗を構えているわけではありませんが、生産者によって樹種や薪の長さを振り分け、それぞれの生産者が心のこもった手作りの薪を、名古屋を中心に、愛知県・三重県・岐阜県・静岡県西部(東海・中部地方)の皆様に、お引取りや直接配送で、あるいは運送会社に依頼して全国に、山里の「広葉樹薪」・「赤松の薪」をお届けしております。
広葉樹薪・赤松の薪を全国に発送
薪ストーブ用には楢(なら)などの広葉樹の薪、陶芸の窯焚き用には火力の強い赤松の薪を、全国のユーザー宛にお届けしています。勿論、薪の製造には限界がありますので、在庫次第ではございますが、年明けすぐに「伐採」・「玉切り」・「割り」を済ませ、そのまま積み込んで春から秋までほぼ1シーズンかけて乾燥した薪をお送りさせていただきます。
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